仲間入り

花粉症になった。
しかも、スギとヒノキのダブルパンチ。風邪だと信じていたのに。
数週間前から、くしゃみ、鼻水、喉のいがいが、目の痒みなどの症状がで出した。まぁ確かに花粉症っぽいけど、風邪の症状だよね?と、
どれだけ周囲の花粉症持ちに「こちらの世界へようこそ」と皮肉な歓迎を受けても、丁重に丁重にお断りしていたのに。なんで花粉症持ちの人は苦しむ人が増えることをこんなにも喜ぶのかと懐疑的に思いつつ、自分は風邪だと信じて疑わなかったのに、

 

検査の結果を聞くまでは。
あまりに症状がひどかったので病院へ行って、ついでに花粉症の検査をしてもらった。ついでに。絶対風邪だと思っていたし、結果が出れば周囲の歓迎を一蹴できると思った。

診察室に入り椅子に座る。先生が口を開く、その瞬間まで心のなかで「陰性、陰性」と唱えていた。

結果は、冒頭の通り。

 

信じられない。生まれてこのかたアレルギーを持たずに生きてきて、これからも無縁の人生を歩むんだろうと思っていたのに。くそう。

生まれて初めて「花粉症」の情報にアクセスするようになり、東京は花粉が多いらしいと知った。上京のせいだった。でもなんで緑のない街に花粉がたくさん飛んでるんだと、何かわからない“何か”に手遅れの救いを求めて調べてみた。

ヒートアイランド現象により温度の高くなった空気は空高く上昇。 すると、上空に向かった空気を補うように、周辺地域から空気が流れ込んできます。 この時、都市近郊の山林から舞い上がった花粉も一緒に、都市に入り込んでしまうのです。 コンクリートアスファルトばかりの都会では、花粉が土に吸収されません。

くそう。
現実を突きつけられただけだった。

 

小学生の頃、向かいに住む友達がひどい花粉症で、その辛そうな姿を目の当たりにしてきた。「大変そうだな」と心の底から思っていたので、まさか私が……と来年の春が早くも恐ろしい。来年の目標としては、早めに対策して重症化を防ぎつつ、

花粉症の仲間入りしてしまった人を歓迎するような花粉症持ちにはならない、と心に誓う。