こんにちは!ざいぜんです。
”2019未来デザインネクスト”に参加してきました!
2019未来デザインネクストでは、ゲストスピーカーの太刀川英輔さんが、今年100周年を迎えるBAUHAUSとともにイノベーションと「デザイン進化思考」についてお話してくださいました。今回はその基調講演で得た学びを記録していこうと思います。
れっつごー^^
まず初めに、この講演のキーワード(だと思った)
- BAUHAUS
- デザイン
- イノベーション
をおさえ、デザイン進化思考とは何ぞや。と考えていこうと思います!
BAUHAUS
BAUHAUSとは、産業革命時に工芸・写真・デザインなどを含む美術と建築に関する総合的な教育を行った学校のことです。学校として存在したのは、ナチスにより閉校されるまでのわずか14年間なのですが、その活動は今なお現代美術に大きな影響を与えているのだそうです。
デザイン
太刀川さんはデザインを「形を通して美しい関係を作ること」と定義しました。
例えば、「いいデザイン」って何でしょうか。かっこいいもの?スタイリッシュなもの?…それも大切です。でもきっと形(ビジュアル)だけでは「いいデザイン」とは言えませんよね。私たちが「いい」と感じるのは、使いやすさなど私たちとそのデザインとの間に良い関係ができたからなんです。
デザインは「関係」⇄「形態」を繰り返しながら出来ていきます。
デザインを「形を通して美しい関係を作ること」と定義した上で、太刀川さんはイノベーションを「世の中に新しい関係を作ること」と定義しました。例えば、イノベーションの例としてよく挙げられるiPhone。iPhoneのおかげで私たちは、常にインターネットとつながっていられるというとても便利な新しい関係を得ましたよね。
ここで、太刀川さんは「今まで起こってきたイノベーションと生物の進化はとても似ている」とおっしゃいました。
例えば、iPhoneとヘビ。携帯電話からボタンをとったのがiPhone、トカゲ類から足を取ったのがヘビ、と考えると…なるほど確かに似ている!イノベーションも生物の進化も0からではなく元々あるものからの足し引きなどから生まれてくるもののようです。
それでは進化思考をBAUHAUSとともに考えていきましょう!
生物の進化の観察方法は大きく分けて、解剖、生態系、系統樹、未来予測の4つです。太刀川さん曰く、これらとBAUHAUSを形作ったもの(優れた発想、イノベーション)は共通するものがあるそうです。
解剖
これはBAUHAUSのカリキュラムです。BAUHAUSでは、初めから〈建築〉を学ぶのではなく建築を解剖した〈木材〉、さらに解剖して〈自然〉などから学んでいきます。解剖することで、建築を構成するモノの意味や価値、機能を理解することができるのです。
生態系
生態系を理解することは、周囲のモノ(人)との影響を考察し、関係性を理解する上でとても大切です。では、BAUHAUSはどのような生態系を持っていたのでしょうか。
当時は産業革命により、技術は上がったものの質の低い工業製品が出回っており、その反発から、より大衆社会に合った生活と芸術が一体となった造形が求められるようになり、BAUHAUSが誕生したのです。
ちなみにBAUHAUSに当てはめるとわかりにくいのですが、モノの生態系の理解は消費者理解に繋がるため、商学部でいうとマーケティングのようなものだろうと思います。
これは、太刀川さんが制作したもので、乗り物の発達プロセスが生物の進化系統樹のように表されています。あるモノの系統樹を描いてみると、次なる知を生み出すうえでとても大事な学びがあるのだそうです。
今回はBAUHAUSを支えてきた人たちを例に、BAUHAUSを系統樹に当てはめて紹介してくださいました。
- ヴァルター・グロピウス(建築家、初代校長)
モダニズム建築の普及に影響を与えるとともに、教育者として大衆への芸術教育の重要性を主張しました。
- ヨハネス・イッテン(芸術家)
予備教育を担当し、特に色彩については優れた成果を残しています(色彩調和)。
- マルセル・ブロイヤー(建築家、家具デザイナー)
バウハウス家具工房の第一期生で、グロピウスにその才能を見出され、教官となりました。モダニズムの先駆者として、革新的なデザインの家具や建築を生み出しています(ワシリー・チェアなど)。
BAUHAUSは建築にとどまらない学びの場なだけあり、幅広い分野の専門家たちが携わっていることがわかります。また、グロピウスやイッテンの教育が家具の素材にとらわれないブロイヤーの作品に受け継がれているというのも何となくわかるなぁと思いました。
未来予測
未来予測とは、系統樹の俯瞰やデータの活用とともに変化の兆しを感じとることです。
これは、BAUHAUS3代目校長のミースが制作したフリードリヒ街のオフィスビル案です。実現はしませんでしたが、アメリカでこのような構想ビルが建ち始める30年も前から、考えられていた案だそうです。ミースが系統樹の俯瞰やデータの活用をしていたのかどうか詳しいことは分かりませんが、ミースはラーメン構造の高層ビルを得意としていたため、デザインしていく上で高層ビルの変化を感じ取っていたのだと思います。
ーーーーーーーーー
今回は、進化思考という視点からBAUHAUSや今のデザインのことについて知ることができました。でも、知識は増えたけど学びがあったのかと言われると、どうなんだろう、)ちょっと自信ないな…。
(と、反省しつつ、)今回感じたこと。
太刀川さんはデザイナーであるにも関わらず、その他の知識が驚くほど豊富でした。ゼミで哲学や心理学を学んでいく理由と共通するものがあるのではないかと思います。太刀川さんも様々な引き出しから、デザインをしているのだろうと思いました。
また、豊富であるだけでなく、生物の進化に関しては知識が深すぎて、オタク的な素質も感じました。オタクの人が持つ「知りたい!」という強い感情と、そこからくる行動力や知識の深さには、本当に驚かされますし、尊敬します。オタクの人がそのことについて話すときの熱?のようなものは、とても輝かしいなぁと思うんです。
でも私にはそれほどまでに熱中できることがないです。好奇心はちょっと強めですが飽きっぽいので、今までもそんなに熱中したことがあったかな…?という感じです。熱中できることが欲しいーーとずっと思っているのですが、よくよく考えてみたら、太刀川さんも「生物の進化を知りたい!」から入ったわけではないよな…と思いました。太刀川さんの出発点は、「社会を良い方向に変えていこうとしている人たちの武器になるようなものをつくりたい、ソーシャルイノベーターを増やしたい」という思いでした。そして優れた発想やイノベーションが何に似ているのかということを考えているうちに、生物の進化にかなり近いのではないかと思うようになり、「進化思考」として研究していくようになったのです。
直接そのコトやモノに興味を持つのではなく、思いなどからhowを考えているうちに違う角度から興味をもつこともあるんだな、と思いました。これからは「思いからhowを考える」という、この流れを注意深く行っていきたいと思います。
目指せ、オタク!